ニシン漁が有名で、歴史を感じる街並みが美しい町だった。
江差中心部を巡る
「歴史を生かす街づくり事業」で、昔に建てられた蔵や町屋などが当時のように残っており、「いにしえ街道」と呼ばれている。
「日本で最も美しい村」連合にも加盟しているらしい。
景観を保つため電線が地中化されているので見た目もスッキリしていて良い。
こちらは「北海道新聞社江差支局」で、これも趣がある見た目の建物だ。
オシャレな建物とレトロな建物が混在している風景もとても良い。
姥神大神宮
いにしえ街道を歩いていると「姥神大神宮」という神社を発見。
鳥居をくぐって後ろを振り返ってみると、奥のほうには海が見えていてとても景色が良かった。
本殿はとてもシンプルだが、逆にそれがとても趣があった。
調べてみると、なんと北海道最古の神社であるらしい。
境内には「模型山車館」という建物もあった。
無料でいろいろな模型が見られる。
こちらは北前船の模型。
ちなみに姥神大神宮は、ニシンの豊漁を言い当てた「折居伝説」に基づき、今も海の神様として江差の海を守り続けているらしい。
これは江差の祭りで使われる山車の模型。
江差の祭りについては後ほど紹介するスポットで詳しく解説する。
旧中村家住宅
次に紹介するのは「旧中村家住宅」。
いにしえ街道に面して建っている商家建築物であり、国の重要文化財に指定されている。
暖簾をくぐって中に入ってみると、当時にタイムスリップしたかのような景観が広がっていた。
畳と囲炉裏、窓から差し込んでくる陽の光がとてもいい感じだった。
置かれている家具も一つ一つがとても趣がある。
特にタンスなどがカッコいい。
廊下を歩くたびにキシキシ音がするのも良い。
窓からは江差の街を見渡せる。
1階に下りて奥のほうに進んでいく。
進んだ先は蔵になっており、資料館のようになっていた。
昔の江差のニシン漁で使っていた道具なども展示されており、当時の漁の様子がよく分かる。
こちらは江差のニシン漁の推移。
安定して獲れているのかと思ったら、かなりの頻度で凶漁になっていたらしい。
通常、ニシンは漢字で「鰊」と書くが、江差では「鯡」と読ませていたらしい。
「ニシンは魚に非らず、米である」という言葉がすごく良い。
これは「ハネダシ」と呼ばれる江差を中心に発達した特殊な倉庫建築の模型。
海と宅地が近く、しかも落差が大きいという条件に適応するために生まれた。
砂浜に大きな柱を建てて1階を作り、その上に「ハネダシ」て宅地を建てているらしい。
明治10年頃はこんな感じだったらしく、京都にある現在の「伊根の舟屋」によく似ている。
外に出て建物を見てみると、確かにハネダシていることがよくわかった。
旧檜山爾志郡役所(江差町郷土資料館)
次に紹介するのは、旧中村家住宅から歩いてすぐの場所にある「旧檜山爾志郡(ひやまにしぐん)役所」。
洋風な建物は色使いがとてもオシャレ。
北海道内で唯一現存する郡役所として保存されており、「江差町郷土資料館」としても活用されている。
入口前には独特な形をした「土方歳三 嘆きの松」と呼ばれている松の木がある。
後編で紹介する「開陽丸」が座礁・沈没した時に「土方歳三」はこの場所で眺めており、嘆きながらこの松を叩いたら後日松の木が曲がってしまったと伝えられている。
建物の中に入ってみるとニシン漁をしているゆるキャラみたいなパネルがあったが、調べてみても詳細はわからなかった。
これはこの郡役所の建設の様子がわかる模型。
建物の耐震性を高めるための「筋交い」は日本建築では「/」や「X」の形にいれるのが普通だが、この建物は洋風建築のため「K」の形に入っている。
竣工後の模型もあった。
ちなみに基礎の石には福井県産の「笏谷石」が使用されている。
江差では多く使用されているようでちょっと嬉しい。
この建物には他にも特徴があり、代表的なものが壁や天井の柄。
明治20年代から昭和10年代までたびたび張り替えられていたらしい。
これは江差町の「町章」。
カタカナの「エサシ」を図案化したもので、「エ」をひし形にして中央に「サ」を4つ(「シ」)並べているというデザイン。
なかなかいい。
こちらは江差の文化がわかるコーナー。
「江差追分」で使用される尺八なども展示されていた。
これは「下駄スケート」。
昔は冬に使用されていたようだ。
2014年まで営業されていた「江差線」の展示もすごく充実している。
これは江差駅に設置されていた駅名板。
そのほか、鉄道ファンでなくてもオオッとなるものがたくさん展示されていた。
これはかつての北海道の鉄道路線図。
昔はこんな隅々までレールが敷かれていたんだなあ。
2階にも江差についての展示がたくさんあった。
これは江差の郷土菓子である「かたこもち」の型。
羽子板みたいでかわいい。
こちらは江差の「鹿子舞(ししまい)」。
通常の「獅子舞」と違って、江差ではライオンではなく鹿をかたどったものを使用しているらしい。
江差のニシン漁についての展示は映像も流れており、こちらも見応えがあった。
「江差の五月は江戸にもない」という言葉がカッコよすぎる。
ベランダのような場所から見える景色も素晴らしい。
江差の街並みや海、遠くの方までも見渡せる。
最後はこの建物が江差警察署として使われていたときにあった留置場を復元したコーナーを見学。
ここに立てばすべての房を見渡せるというマークがあったので立ってみた。
おー、確かに全部の房を見渡すことができて効率がいい。
ちなみに房の中はこんな感じだった。
江差追分会館
今回最後に紹介するのは、こちらの「江差追分会館」。
「江差追分」とは江差が発祥の民謡で、北海道指定の「無形文化財」であり「北海道遺産」に認定されている。
入口前にあるのは江差のゆるキャラ「しげっち」の顔出しパネル。
立体的な顔出しパネルというとても珍しいものだ。
まずは大きな山車が展示されているスペースへ。
この山車は、北海道最古の歴史と伝統を有する「姥神大神宮渡御祭」で使用されるものらしい。
13台のうち2台を1年交代で常設展示しており、このときは伊達政宗がモデルの山車などが展示されていた。
山車のまわりにはそれぞれの町の山車についてや半纏などが展示されていた。
シアターもあった。
150インチの大型スクリーンで祭りの様子を臨場感ある映像で味わえる。
次は2階へ。
2階は江差追分のことを中心にした展示内容になっている。
こちらは江差追分界のスター「浜田喜一」を紹介しているコーナー。
当時のリサイタルのポスターなども展示されている。
レトロなフォントと色使いがいい。
江差追分のレコードも発売されていたようだ。
前々回の東京オリンピックに出演して披露されていたようで、このようなペナントもあった。
これは江差追分の楽譜らしい。
見たことのない符号ばかりでとても面白い。
最後は江差追分を生で体感しよう。
このステージでは1日3回江差追分が実演される。
ステージの両側にはたくさんの写真が並んでいる。
写真に写っているのは歴代の江差追分全国大会の優勝者たちだ。
幕が上がって江差追分の実演が始まった。
歌唱はなんと過去に江差追分全国大会で優勝した方だった。
とても力強い歌声と演奏で素晴らしかった。
江差追分会館に入場すればこの実演を無料で観られるのがすごい。
動画を載せておいたので、ぜひ江差追分を聴いてみてください。
以上、今回はニシンの繁栄が息づく町・江差を紹介しました。
後編では今回紹介できていないスポットやグルメについても紹介したいと思います。
続きはこちら。
よかったらクリックお願いします。